今回のブログ記事では断熱材「フェノールフォーム」の特徴・メリット・デメリットについて詳しく解説するぞい!
フェノールフォームは高い断熱性能を誇る優秀な断熱材じゃ!グラスウール・ロックウールなどに比べるとまだまだ採用しているハウスメーカーは少ないものの、たくさんのメリットがある断熱材なので特徴を覚えておいて損はないと思うぞい!
断熱材 フェノールフォームとは
さて今回は断熱材「フェノールフォーム」について特集していくぞい!アシスタントのみんなはフェノールフォームについて知っていることはあるかね?!
フェノールフォームってへーベルハウスが採用している断熱材ですよね!「へーベルハウスの断熱性」の記事で教わったやつです!たしか「ネオマフォーム」って商品名でしたね。
そうそう。ネオマフォームは旭化成建材が手掛けるフェノールフォーム系の代表的な断熱材じゃな!
フェノールフォームは確か、断熱性能がすごく高いポン!
うむ。フェノールフォームは断熱材のなかでも特に熱伝導率が低い素材なのじゃ!断熱性能でいえば現状、住宅業界で流通している断熱材のなかではフェノールフォームがほぼ最強といえるじゃろうな!
最強の断熱材!そう聞くとフェノールフォームって名前もなんだかラスボスっぽく思えるポン!
たぬきちゃんは相変わらずゲーム脳だなぁ。
断熱材の業界も日進月歩で進化しておるからな!今のところはフェノールフォームの断熱性がほぼ最強と言えるが、近い将来追い抜かれると思うぞい。
ちょっと話がずれるが、実は近い将来「エアロゲル」という地球状で最強の断熱性を誇る素材が製品化するらしいんじゃ。
いやマジで「エアロゲル」はガチの最強断熱材っぽいぞい。
博士が「いやマジで」とか言うなポン。キャラ違うじゃん。にしてもエアロゲル…。裏ボスみたいな名前ポン。やっぱり上には上がいるんだね。
でもまだ流通していないならまとめても仕方ないのでエアロゲルについてはまたの機会にしましょう!話をフェノールフォームに戻しますよ!
そうじゃった、今回はフェノールフォームの特集じゃったな!
フェノールフォームは発泡プラスチック系の断熱材なんですよね?
うむ。フェノールフォームは「フェノール樹脂」に発泡剤・硬化剤などを加えて発泡させボード状に成型したもので発泡プラスチック系に分類される断熱材じゃよ。ただしフェノールフォームは発泡プラスチック系らしからぬ、いろいろな特徴があるけどな!
ちなみに発泡プラスチック系の断熱材といえばどんな特徴があったか覚えているかな?
発泡プラスチック系の断熱材ってポリスチレンフォームとかウレタンフォームとかだよね。あ、どれも火や熱には弱いって教わった気がするポン。
その通り。発泡プラスチック系の断熱材は総じて火や熱に弱いのが特徴なのじゃが、実はフェノールフォーム断熱材は火や熱にも強いのじゃ!それだけじゃなく水や湿気にも強いし、経年劣化もしにくい。なかなか万能な断熱材なんじゃ。
フェノールフォームってなんだか凄そうな断熱材ですね!じゃあ順番にメリットとデメリットを解説してください。
フェノールフォームのメリット・デメリット
では断熱材フェノールフォームのメリットとデメリットを詳しく解説していくぞい!フェノールフォームは色々と優秀な点があるから覚えておくとよいぞい!
フェノールフォームのメリット 断熱性能が高い
まずは何と言ってもコレを言わないと始まらない。冒頭で述べたとおりフェノールフォームは数ある断熱材のなかでも特に熱伝導率が低い素材なんじゃ!つまり断熱性能が非常に高い。
ほう、どれくらい?(直球)
フェノールフォームはおよそ「熱伝導率:0.020W/(m・K)」じゃ。これはかなり優秀な数値じゃぞ。わかりやすく他の断熱材の熱伝導率と比較してみよう。
断熱材の種類 | 熱伝導率[W/(m・K)] |
---|---|
グラスウール | 0.034~0.050 |
ロックウール | 0.038 |
ビーズ法ポリスチレンフォーム | 0.034 |
押出法ポリスチレンフォーム | 0.028 |
硬質ウレタンフォーム | 0.024 |
フェノールフォーム | 0.020 |
フェノールフォームの熱伝導率がトップじゃん。
うむ。現状、住宅業界で流通している断熱材としてはフェノールフォームがトップクラスに断熱性が高い素材といえるじゃろうな!フェノールフォームなら、薄くても十分な断熱性を確保することができる。つまり壁を薄くできるってことじゃ。
壁が薄くできるイコール室内面積を壁が圧迫しないってことじゃ。
じゃあフェノールフォームを断熱材に使えば「室内が少しだけ広くなる」ってことですね。
うむ。まぁ少しだけじゃがな!とはいえ都市部などの狭小地にマイホームを建てる人などはその「ちょっとの差」がすごく大きいものじゃ。
室内が少しでも広くなるなら、それに越したことはないね!
フェノールフォームのメリット 熱・火に強い
それから、これも前述したがフェノールフォームは発泡プラスチック系断熱材でありながら「熱硬化性樹脂」でできていて、熱や火に強い点も大きなメリットの一つじゃな!
熱硬化性樹脂?むずかしい言葉はやめてほしいポン!
カンタンに言えば「熱に強くて燃えにくい樹脂」と考えればOKじゃ!フェノールフォームはだいたい「400℃」くらいまで耐えられると言われておる。これはグラスウールと同じくらいの耐火性じゃ。
グラスウールは耐火性が長所でしたよね。発泡プラスチックって火に弱そうなのに、グラスウールと同じくらいの耐火性って凄いですね!
うむ。
発泡プラスチック系の断熱材はだいたいが「難燃性」であって燃えないわけではなかったが、熱硬化性樹脂でできているフェノールフォームは熱や火があたっても表面が炭化するだけで非常に燃えにくい。そのため「難燃性」より上位の耐火性である「不燃・準不燃材料」の認定を受けている断熱材なんじゃ!
万が一の火災の時に逃げる時間を稼いでくれる断熱材ってことですね。
その通り。住宅の全焼火災は滅多に起きないこととはいえ、命にかかわることじゃから重要なポイントじゃな。住宅建材は出来るだけ燃えにくい素材であるに越したことはない。評価すべき点じゃ。
もしフェノールフォームが燃えてしまったら、有毒ガスは発生するの?
良い質問じゃな。フェノールフォームは万が一熱や火があたって炭化しても有毒ガスが発生することはない。この点も安心じゃよ。とはいえ、火災が起きてしまったらできるかぎり煙を吸っちゃいけないし、一刻も早く逃げることじゃよ。
有毒ガスも発生しないのか!フェノールフォームは安全性も高い断熱材だポン!
フェノールフォームのメリット 水・湿気に強い
さらにフェノールフォームは水分や湿気にも強いぞい。グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材は水分や湿気に弱いが、フェノールフォームはそもそも湿気を吸わないので結露もしにくいのじゃ。
ますます優秀ですね!フェノールフォーム!
ただし、セルロースナノファイバーのような「調湿高価はない」けどな。でも、湿気に強いというだけで十分メリットじゃ。
フェノールフォームのメリット 経年劣化しにくい
そしてフェノールフォームは経年劣化の観点でもアドバンテージがあるぞい!
劣化もしにくいんだ!すごいポン!
基本的に発泡系プラスチック系断熱材は、経年にともなって内部の空気層(あるいはガス層)が外部に漏れだしてしまい断熱性能が低下してしまうものなんじゃ。フェノールフォームも経年でまったく劣化しないわけではないが、他の発泡プラスチック系断熱材に比べると劣化の度合いは低いとされておる。
それにフェノールフォームは熱で縮んでしまうこともなく、湿気を吸ってダメになってしまうこともない。こういう面でも劣化耐性が優れた断熱材と言えると思うぞい!
すごい!パーフェクトな断熱材だポン!
フェノールフォームのデメリット 価格が高い
なにごともメリットがあればデメリットもあるものじゃ。ここからはフェノールフォームのデメリットをピックアップしていくぞい。
パーフェクトだと思ったけど、やっぱりフェノールフォームにもデメリットはあるのか…。
まずフェノールフォームの最大の弱点は「価格が高い」という点じゃ。マイホームを建てるうえで「価格」は重要なポイントじゃ。価格が高ければ採用されにくいし、この点は明確なデメリットと言えるじゃろう。
フェノールフォームは他の断熱材と比べてどれくらいの価格差があるんですか?
ではわかりやすいようにザックリとじゃが断熱材の価格表をまとめてみよう!
断熱材の種類 | 1坪あたりの価格 |
---|---|
グラスウール(16K) | 6000円~7000円 |
ロックウール | 6000円~7000円 |
セルロースファイバー | 15000円~18000円 |
ウール(羊毛)断熱材 | 12000円~14000円 |
ビーズ法ポリスチレンフォーム | 10000円~12000円 |
押出法ポリスチレンフォーム | 12000円~14000円 |
ウレタンフォーム(ボード状) | 16000円~20000円 |
ウレタンフォーム(現場発泡) | 15000円~18000円 |
フェノールフォーム | 18000円~22000円 |
かなりザックリとした価格じゃが、まぁだいたいこんなところじゃろうな。
やっぱりフェノールフォームが一番価格が高いんですね。
フェノールフォームは高級な断熱材だポン!高級志向のぼくとしてはぜひ採用したいです。
フェノールフォームのデメリット シロアリに弱い
それからフェノールフォームはシロアリに弱いという点もデメリットじゃ。意外かもしれないが、発泡プラスチック系の断熱材はシロアリがけっこうかじってくることがあるのじゃ。
シロアリなんて絶滅してしまえばいいポン!
たぬきくんはときどき過激派じゃのう。ま、木造住宅にとってはシロアリは一番の害虫じゃからな。その気持ちはわかるが、しっかり防蟻処理をすればそこまで心配することはないと思うぞい。
いずれにせよ木造住宅なら防蟻処置は必要不可欠。必ず定期的に防蟻処理をしておくことが大切じゃ。
断熱材 フェノールフォームを採用している主なハウスメーカー
ところでフェノールフォームをメインの断熱材として採用しているハウスメーカーはあるんですか?
うむ。フェノールフォームは価格が高い断熱材なので、そこまで採用実績は多くはないが大手ハウスメーカーでも一部で採用されておるよ。
フェノールフォームを断熱材として採用しているハウスメーカーの有名どころをまとめてみたぞい。
フェノールフォーム採用ハウスメーカー | 採用箇所・分厚さなど |
---|---|
アイフルホーム | 壁:フェノールフォーム(70mm) 天井:フェノールフォーム(80mm) 床:フェノールフォーム(66mm) |
へーベルハウス | 壁:フェノールフォーム(45mm) 天井:ポリスチレンフォーム(25mm)+フェノールフォーム(65mm) |
タマホーム(大安心の家PREMIUM) | 床:フェノールフォーム(70mm) |
フェノールフォームを採用しているハウスメーカーはけっこう少ないポン。
価格が高いから採用されているところは少ないのう。今後、もっと採用するハウスメーカーが増えれば価格も下がっていくかもしれないのう。
フェノールフォームは断熱材としてオススメか?
ズバリ、フェノールフォームは断熱材としてオススメなの?
うむ。フェノールフォームはズバリかなり優秀な断熱材じゃ。
フェノールフォームはそもそも断熱性能は最強クラスに優秀だし、水や湿気に強く断熱性能も劣化しにくい。加えて火や熱にも強いし、万が一の火災の時にも有毒ガスが発生しない。「断熱性+安全性」という面で優秀なのは高く評価すべきじゃろう。
むしろ明確なデメリットは「価格が高い」くらいしかないとも言える。もしも金額面で予算が許すならオススメの断熱材と言えるぞい。特に断熱性能を重視したい人やなるべく壁を薄く施工したい人にはオススメじゃな。
ワシは個人的に断熱性能を重視したいタイプなので、フェノールフォームに点数を付けるとすれば「9点(10満点中)」というところじゃな!
おぉ!かなりの高得点が出たポン!
価格以外に欠点らしい欠点が見当らないとは。フェノールフォームは優秀な断熱材なんですね!
せっかくマイホームを建てるなら、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境が理想ですよね。
マイホームの温熱環境で後悔したくないなら、必ず「UA値」という数値をカタログスペックで比較してください。UA値は「住宅の断熱性能を客観的に示す数値」で、値が低いほど優秀と考えてください。
UA値は間取りプランごとに異なるため、カタログに載っている数値はあくまで目安です。ですが目安を掲載するかどうかがハウスメーカーの「断熱に対する自信の差」。現に断熱性に自信があるハウスメーカーはほぼ必ず「UA値」の目安を載せています。
もしカタログにUA値の目安が掲載されていなければ「断熱に自信なし」と考えていいです。断熱性は各ハウスメーカーの実力差が顕著に表れるポイントです。断熱性で戦っても競合他社に勝てないメーカーは「あえてUA値を載せていない」というケースが多いのです。
住宅性能のなかでも断熱性は「特に日常的に実感する性能」です。断熱で後悔している人が多いということは、裏をかえせば断熱性が高い住まいは驚くほど快適ということでもあります。
カタログスペックの「UA値」で比較しておけばマイホームの温熱環境の失敗はまずありません。せっかくの注文住宅、温熱環境で後悔しないために「UA値」は必ず最新のカタログで比較しましょう!
今回の記事をまとめると
- フェノールフォームのメリット
- 断熱性が特に高い
- 水分・湿気に強く結露しにくい
- 熱・火に弱い(耐火性が弱い)
- 火災でも有毒ガスが発生しない
- 断熱性が劣化しにくい
- フェノールフォームのデメリット
- 価格が特に高い
- シロアリに弱い
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