では今回のブログ記事では断熱材「ウレタンフォーム」の特徴・メリット・デメリットについて詳しく解説していくぞい!
ウレタンフォーム断熱材のシェアはまだ1割程度で、グラスウールやロックウールなどに比べるとまだまだポピュラーな断熱材とは言えないが断熱性能は優れているぞい!メリットとデメリットがある断熱材なので注文住宅を建てるなら知っておいて損はない断熱材じゃぞ!
断熱材 ウレタンフォームとは
さて今回のブログ記事では「断熱材 ウレタンフォーム」について詳しくまとめていくぞい!アシスタント諸君はウレタンフォームって聞いたことあるかな?
ウレタンフォーム?うーん、聞いたことないポン。
ウレタンはもともとはソファーのクッション材とか掃除に使うスポンジとかに使われていたものじゃが、中に気泡を含んでいる点など断熱性能が高いことが見込まれて、改良して住宅の断熱材として使われるようになったんじゃ!
ウレタンフォームは「断熱性能が高い」ことから今ジワジワ人気が出ている断熱材なんじゃよ。発泡ウレタンとも呼ばれているな!
ウレタンフォームは名前的に発泡プラスチック系の断熱材ですかね?
うむ。ウレタンフォームは「ウレタン樹脂」に発泡剤や難燃剤などを混ぜてできているもので、分類的には「発泡プラスチック系」の断熱材じゃな!ウレタンフォームは基本的に「ボード状」に成型されたものと「現場で発泡するタイプ」のものがある。今、人気を集めているのは「現場発泡タイプ」のウレタンフォームじゃ!
現場発泡ってことは建設現場でいきなり膨らませるってこと?
うむ。こんな感じで専用の吹き付け機械を使って施工するじゃ。
あ、なんかカッコいいね!
こんな風に現場で壁に直接吹き付けて施工するのが現場発泡タイプのウレタンフォーム断熱材じゃ!
断熱材 ウレタンフォームの特徴
で、ウレタンフォームの断熱材にはどんな特徴があるのかな?
うむ。ウレタンフォームの断熱材は素材自体の断熱性能が高いなどなメリットもあるがデメリットも存在するから特徴はしっかりと把握しておくべきじゃろう。
ウレタンフォームのメリット 断熱性能が高い
まず、ウレタンフォーム断熱材の第一のメリットとして「高い断熱性能」が挙げられるじゃろう。
断熱材なんだから断熱性能が高いのは当たり前だポン!
いやまぁそうなんだけど。ウレタンフォームは数ある断熱材の中でもかなり断熱性能が優れている方ってことが言いたいのじゃよ。
具体的にウレタンフォームの断熱性能はどれくらいなんですか?
細かく言うと「硬質ウレタンフォーム」と「軟質ウレタンフォーム」で若干違うのじゃが、熱伝導率はだいたい「0.022~0.034W/(m・k)」と言われておるな!これはフェノールフォームに次ぐくらいの断熱性能の優秀さ。断熱性能だけでいえば、ウレタンフォームはかなり優秀なほうじゃぞい!
ウレタンフォームのメリット 気密性が確保しやすい
ところで、なんでボード状のものより「現場発泡タイプのウレタンフォーム」が人気なんですか?
工場でボード状に成型するタイプも結局現場でカットして敷きつめるという作業が必要になるし、ボード状のものは硬いので寸法が少しでもずれると気密性・断熱性が損なわれる可能性があるんじゃ。
その点、現場発泡タイプのウレタンフォームは専門の業者による施工が必要じゃが、その場で吹き付けて発泡させるためビッチリと隙間なくウレタンフォームを敷きつめることができる。つまり気密性を確保しやすいんじゃ。さらに短時間で施工できるので工期も短く済む。さらに断熱性能も高いということでジワジワと人気が出てきているってわけじゃ!
なるほど!ウレタンフォーム断熱材はなかなか優秀そうだポン!
ウレタンフォームのメリット 経年劣化でずり落ちにくい
現場発泡型のウレタンフォームは発泡させる際、特に接着剤やくぎ打ちなどをしなくても壁に自然とくっつく。これを自己接着性という。ウレタンフォームは自己接着性が強力なため、経年でずり落ちにくいのも大きなメリットじゃ!
なるほど!グラスウールとかロックウールは施工の仕方が悪いと、経年でずりおちてきてしまうことがあるって言ってましたね。ウレタンフォームではそういうことがないんですね!
うむ!グラスウールやロックウールも壁内にを格子状にするなど、ずり落ちにくくしているハウスメーカーがほとんどだが、確かに施工の仕方次第では経年劣化してしまうことがある。ウレタンフォームはそういう心配は少ないぞ!
ただし、ウレタンフォームは一度吹き付けて発泡すると固まってしまう。つまり木材の伸縮に追従する性能は低いのじゃ。だから、経年で構造材自体が歪んでしまえば壁内にスキマができてしまう可能性もある。この点は注意しておきたいところじゃ。
ウレタンフォームのデメリット 耐火性能が不安
それからウレタンフォームにはグラスウール、ロックウールに比べて明確なデメリットがある。それは「耐火性が不安」という点じゃ。
え!万が一、家事になったらヤバいポン!
一応ウレタンフォームは「難燃性」のものがほとんどだが「不燃性ではない」のじゃ。ウレタンフォームは火災には弱いと考えておくべきじゃな。
でも難燃性ってことは「燃えにくい」ということですよね?
うむ。ほとんどのウレタンフォームは一応「難燃性」の素材を混ぜ込んであるのだが、「難燃性」と「不燃性」は違うぞい。難燃性はあくまでも「燃えにくい」というだけで燃えないというわけではない。
ウレタンフォームはグラスウールやロックウールほど熱・火に強いわけではないということはしっかり覚えておこう。
万が一、火災になっちゃった場合は逃げる時間を稼ぎにくいということだね。
うむ。それから万が一ウレタンフォームが燃えてしまった場合、有毒ガスが発生する恐れもある。この点も気になるのう。
ちょっと不安ですね。
正直「一戸建て住宅の火災で全焼」という事例は珍しいので、そこまで気にする必要はないという見方もあるが、やっぱり命にかかわる部分じゃから少し不安ではあるな。ウレタンフォームを採用するなら「ウレタンは火に強いわけではない」という点はしっかり理解しておくべきじゃ。
ウレタンフォームのデメリット シロアリに弱い
それからウレタンフォームはシロアリにも割と弱いぞい。
シロアリってこわいね!プラスチック系の断熱材もかじるんだ…
うむ。シロアリはロックウールやグラスウールなどの無機質系の断熱材は食べないが、プラスチック系の断熱材はけっこうかじってくるぞ。
ただし木造住宅の場合、例えウレタンフォームを使わなくても防蟻処理は必須項目じゃ。ウレタンフォーム断熱材を採用するとしても基礎部分でしっかり防蟻処理をし、あとは5年ごとに防蟻処理を行えばほとんど心配はないと思うがの!
断熱材 ウレタンフォームは「硬質」と「軟質」の2種類がある
それから前述で少しだけ触れたが、断熱材ウレタンフォームには「硬質ウレタンフォーム」と「軟質ウレタンフォーム」の2種類に分かれるぞい!
硬質ウレタンと軟質ウレタンではどう違うの?
うむ。まず硬質ウレタンはから説明しよう。硬質ウレタンフォームは、一般的に「30倍発泡タイプ」と呼ばれるものでこちらは「独立気泡」といって内部の気泡がそれぞれ独立した空気層になっている。独立した無数の気泡それぞれに空気が閉じ込められている状態なので、このタイプは非常に断熱性能が高い。単純な熱伝導率でいえば「0.024W/(m・k)」前後となる。これはフェノールフォームに次ぐ非常に優れた断熱性能じゃ。
ふむふむ。硬質ウレタンフォームは断熱性能が高いんですね!
対して軟質ウレタンは「100倍発泡」と呼ばれるもので、こちらは「連続気泡(オープンセル)」といって、気泡が繋がっているタイプになるんじゃ。連続気泡タイプは、空気層同士が連続して繋がり合っているため、内部の空気が完全に閉じ込められているわけではない。
そのため軟質ウレタンは硬質ウレタンに比べて断熱性能は少し劣る。軟質ウレタンフォームの熱伝導率は「0.034W/(m・k)」程度じゃな。これでも高性能グラスウールと同じかそれ以上の断熱性能はあるけどな!
じゃあ、軟質ウレタンよりも硬質ウレタンの方が断熱材としては優れているんですね!
一般的にそう言われていることも多いが、軟質ウレタンにも良いところがあるぞい。軟質ウレタンは連続気泡のため「湿気を通しやすい」のじゃ。湿気を通すということは外部に湿気を吐き出すことができるため、内部で結露しにくいということでもある。
でも独立気泡だと完全に湿気も通さないですよね?完全に湿気を通さないほうが内部結露しにくいのでは?
確かに独立気泡は湿気も通さないが、現場発泡タイプのウレタンフォームはかなりの膨張率なので膨らみ過ぎたところはカットして施工する。カットした部分から湿気が侵入してしまうことがあるんじゃ。つまりカットした部分にしっかり防湿処理を行わないといけないってわけじゃな!
独立気泡タイプの硬質ウレタンフォームはカット部分の防湿処理が大切ポン!
断熱材 ウレタンフォームは遮音性も優秀
あとは連続気泡タイプは遮音機能も優れているぞい!連続気泡のものはスポンジにもよく似た構造で音を吸収する特性があるんじゃ!つまり軟質ウレタンフォームの断熱材を採用すると外からの音も中に聞こえにくいし、室内からの音も外に聞こえにくいのじゃ。
それは良いメリットですね!独立気泡タイプの硬質ウレタンフォームの遮音性はどうなんでしょうか?
反対に独立気泡タイプのウレタンフォームは音を吸収するのではなく反射させる特性があるぞい。つまり硬質ウレタンフォームの断熱材を採用するとい外の音は聞こえにくいが、中の音は反響しやすいと言える!
断熱材 ウレタンフォームを採用している主なハウスメーカー
ウレタンフォームをメインの断熱材として採用しているハウスメーカーはあるんですか?
うむ。ウレタンフォームをメインの断熱材として採用しているハウスメーカーの有名どころをまとめたぞい!
ウレタン断熱採用ハウスメーカー | 断熱材の分厚さ等 |
---|---|
一条工務店 | 硬質ウレタンフォーム(140mm) |
ウィザースホーム | 硬質ウレタンフォーム(140mm) |
桧家住宅 | 軟質ウレタンフォーム(80mm) |
木下工務店 | ウレタンフォーム(80mm)※硬質か軟質か不明 |
ウレタンフォームを採用しているハウスメーカーって意外に少ないんですね。
うむ。ウレタンフォームは「断熱性能が高い」「気密性が確保しやすい」などのメリットはあるが「耐火性が不安」「シロアリに弱い」などのデメリットもあるからのう。シロアリに関しては定期的な防蟻処理をすることでほとんど心配はないとは思うが。
やっぱり使い勝手の面ではグラスウールやロックウールの方が上なんですかね。
でも一条工務店が採用しているところは注目だね!一条工務店は断熱性能が高いってはかせに教わったポン!
ウレタンフォームは断熱材としてオススメか?
じゃあはかせ!ウレタンフォームが断熱材としてオススメかどうか教えてください!
結局そこが一番知りたいポン!主観コミでいいので!
じゃあ個人的主観で。
ウレタンフォームは断熱性能だけでいえば文句なしの性能で、経年劣化しにくいという点も非常に魅力的じゃが総合的なバランスはあまり良くない断熱材と言えるかもしれないのう。
個人的にはやはり「耐火性能」と「燃えた場合に有毒ガスの恐れ」という点は気になってしまう。単純に断熱性能を上げるだけならグラスウールでもロックウールでも分厚く丁寧に施工してあげればいいのだから。
「火災などほとんど起きないから」という意見ももっともじゃが、ワシ個人としては家は「安全性能」こそ最重要と思っておるので、点数はちょっと低めの「6点(10点満点中)」としておこうかな。
マイホームにウレタンフォーム断熱材を採用するなら、火災の時の逃げ道の確保だけはしっかりと考えておきたいものじゃ!
ちょっと辛めの採点だポン。
まぁ安全性を重視したら少し辛め採点となる、と考えてくれればいい。繰り返しになるが、断熱性能と経年劣化の面だけでいえばウレタンフォームはかなり優れておるよ。
せっかくマイホームを建てるなら、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境が理想ですよね。
マイホームの温熱環境で後悔したくないなら、必ず「UA値」という数値をカタログスペックで比較してください。UA値は「住宅の断熱性能を客観的に示す数値」で、値が低いほど優秀と考えてください。
UA値は間取りプランごとに異なるため、カタログに載っている数値はあくまで目安です。ですが目安を掲載するかどうかがハウスメーカーの「断熱に対する自信の差」。現に断熱性に自信があるハウスメーカーはほぼ必ず「UA値」の目安を載せています。
もしカタログにUA値の目安が掲載されていなければ「断熱に自信なし」と考えていいです。断熱性は各ハウスメーカーの実力差が顕著に表れるポイントです。断熱性で戦っても競合他社に勝てないメーカーは「あえてUA値を載せていない」というケースが多いのです。
住宅性能のなかでも断熱性は「特に日常的に実感する性能」です。断熱で後悔している人が多いということは、裏をかえせば断熱性が高い住まいは驚くほど快適ということでもあります。
カタログスペックの「UA値」で比較しておけばマイホームの温熱環境の失敗はまずありません。せっかくの注文住宅、温熱環境で後悔しないために「UA値」は必ず最新のカタログで比較しましょう!
今回の記事をまとめると
- 断熱材 ウレタンフォームのメリット
- 断熱性能が高い
- 気密性を確保しやすい
- 経年劣化でずり落ちにくい
- 連続気泡タイプは吸音性がある
- 連続気泡タイプは透湿性がある
- 断熱材 ウレタンフォームデメリット
- 耐火性能が不安(難燃性ではあるが不燃性ではない)
- 燃えると有毒ガス発生の恐れあり
- 木材の歪み・変形に対する追従性は低い
- 価格が少し高め
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