今回のブログ記事では断熱材「ロックウール」の特徴・メリット・デメリットについて詳しく解説していくぞい!
ロックウールはグラスウールに次いで日本の一戸建て住宅で採用されているポピュラーな断熱材じゃ。特徴はグラスウールと似た部分が多いが、グラスウールとの違いについても説明していくぞい。
ロックウールとは
さて、今回は断熱材「ロックウール」についてクローズアップしていくわけじゃが、とりあえずロックウールはなにで出来ているかわかるかのう?
ロックといえば内田裕也ポン!シェケナベイベー!
それはロック違いじゃ。
ロックということは岩でできてるんですか?
うむ。正解じゃ。ロックウールとは「玄武岩」や「鉄炉スラグ」などに石灰を混ぜて高温で溶かして繊維状に加工した断熱材のことじゃ。別名で「岩綿(いわわた)」ともいうんじゃ。
岩綿…?なんか一時期「発がん性がある」ということで話題になった「アスベスト(石綿)」と名前が似ていますね。ロックウールはアスベストみたいな健康被害はないんですか?
良いところに気がついたのう!
確かにロックウールの日本名「岩綿」はアスベスト(石綿)によく似ておる。実はアスベスト(石綿)の健康被害が問題になって代替品として使われるようになったのがロックウールなんじゃ。
名前は似ているが岩綿(ロックウール)と石綿(アスベスト)は全く異なるもの。ロックウールは発がん性などの健康被害は確認されていないのでその点は安心して大丈夫だと思うぞい。
ならロックウールは安心だポン!
ふむふむ。ロックウールは岩でできていて繊維状…グラスウールと同じで「繊維系断熱材」のなかでも「無機質系」に分類される断熱材ということですね。
うむ。ロックウールもグラスウールと同じく、繊維状に複雑に絡み合った内部に無数の空気層が存在する。この空気層が断熱性能を発揮するのじゃ。
空気ってスゴイポン!
ロックウールの特徴(メリット)
ロックウールの特徴を知りたいです!どんな断熱材なのか解説をお願いします。
うむ。ロックウールは性能面がグラスウールに似ている断熱材じゃ。
前回の記事で解説したグラスウールの特徴は覚えておるかね?
えーと、確か「価格が安い」とか「燃えにくい」とかそんな感じだったと思いますポン。
適当だなぁたぬきくんは。グラスウールの特徴(メリット)はここに置いておきますね。
- グラスウールの特徴(メリット)
- 価格が安い
- 耐火性が高い
- 万が一の火災の時も有毒ガスが発生しない
- シロアリの被害を受けにくい
- 吸音性が高い
さすがじゃ。実はロックウールの特徴は基本的にグラスウールとほぼ同じじゃ。価格も安いし耐火性能も高い。シロアリも食べないしおまけに吸音性も高いのじゃ。
ただしロックウールは価格がグラスウールよりもちょっと高くつくのう。
価格が高いということは、性能も高いんですか?
お、鋭いの!そうじゃ。
ロックウールはグラスウールよりも少しだけ高性能じゃ。
まず、ロックウールはグラスウールよりも耐火性能が高いぞい。
グラスウールも耐火性が優れているんじゃが、ロックウールはグラスウールよりも耐火性能は優れておる。グラスウールはだいたい400℃くらいの熱に耐えるが、ロックウールは650~700度の高温に耐える性能があると言われておるぞ。もちろん万が一の火災の時でも有毒ガスは発生しない。
グラスウールが400℃に耐えられて、ロックウールは700℃に耐えられると…。うーん、日常生活ではあんまり違いがわかりにくいですね。
そうじゃな。じゃが断熱材の耐火性能が高いという点は万が一の火災の時に大きく役立つ。
カンタンにいえば、火災の時に「住宅が崩れるまでの時間稼ぎ」をしてくれるのじゃ。断熱材をにロックウールを採用していれば避難するまでの時間が長くなる。当然、命が助かる可能性は上がるじゃろうな。
それは大切なことポン!
他にロックウールがグラスウールよりも優れているところはありますか?
うむ。ロックウールはグラスウールよりも肝心カナメの断熱性能がちょっと優れておるな!グラスウールの熱伝導率は「0.034~0.050」なのに対して、ロックウールの熱伝導率は「0.038」。
つまりロックウールは通常のグラスウールよりは少し優れており「高性能グラスウール」とほぼ同じくらいの性能と考えてOKじゃ。価格も高性能グラスウールと比べるとほとんど同じくらいじゃな!
あれ?ロックウールにはグラスウールみたいに性能ランクはないんですか?
うむ。ロックウールには性能ランクはないみたいじゃのう。シンプルでいいのう!
ロックウールの特徴(デメリット)
ロックウールにもデメリット(弱点)があるぞい。デメリットの部分もほぼグラスウールと同じじゃ。グラスウールのデメリット(弱点)は覚えておるかの?
はい、グラスウールのデメリット置いときます。
- グラスウールの特徴(デメリット面)
- 湿気に弱いので防湿処理が必要不可欠
- 結露した場合は断熱性能が大きく劣化する
- 施工業者の技術で断熱性能がブレる可能性がある
サンキューじゃ!ロックウールのデメリットもこれとほぼ同じじゃな。
ロックウールもグラスウール同様で湿気が弱点で結露した場合は断熱性能が大きく劣化する可能性がある。なので防湿処理は必要不可欠じゃ!
ロックウールも気密性の高い構造である「ツーバイフォー工法」や「モノコック構造」と相性が良い断熱材と言えるのう!
ロックウールも施工業者の技術で断熱性能にバラつきがでるんですか?
そうじゃな、家の断熱性能というのは断熱工事がしっかり施工されているかどうかも重要なポイントじゃ。断熱材がスキマなく敷きつめられているかどうか、そして気密性が高く施工されているかが大切じゃぞ。
ロックウールもグラスウール同様にしっかりと施工されてさえいれば安全でバランスのいい断熱材ってことですね!
ロックウールもグラスウールと同じで断熱性能を高くしたいなら分厚くすればいいポン?
その通り。ロックウールも分厚ければ分厚いほど断熱性能は高まるぞい。グラスウールやロックウールに限らず、断熱材はほぼ全て分厚くすることで断熱性能が高まると考えてよいぞ。
ロックウールを採用している主なハウスメーカー
じゃあはかせ!ロックウールを標準仕様としているハウスメーカーを教えてください!
そうくると思ったので有名なところをまとめておいたぞい。
パナホーム | ロックウール(160mm) |
三井ホーム | ロックウール(140mm) |
タマホーム | ロックウール・グラスウール(75mm) |
三菱地所ホーム | ロックウール(90mm) |
ロックウールは断熱材としてオススメか?
で、結局のところロックウールは断熱材としてオススメなんですか?
そこが一番知りたいところポン。
出たな。核心を突く質問。毎回のようにいうが「断熱材は施主がなにを重視するか?」でオススメが変わってくるので一概には言えん。
そこをなんとか!
点数でお願いします!
具体的に聞いてくるのう。じゃあ主観コミじゃが。
ロックウールはすごく優れた断熱材だと思っておる。個人的にはロックウールはグラスウールよりも1点高い「8点(「10点満点中)」としておこうかのう。
やっぱり耐火性能が高くて万が一の火災でも有毒ガスが発生しない、そしてシロアリも食べない素材というのは木造が主流の日本の一戸建て住宅にとって抜群に合っている断熱素材なんじゃ。
断熱性能(熱伝導率)だけでいえば発泡プラスチック系の断熱材の方が高いものがあるが、ロックウールは色々な性能のバランスが良い。グラスウールのちょっと上位互換バージョンと考えるとわかりやすいのう。
ただしグラスウールと同様で湿気だけは大敵。湿気対策はしっかり行うことじゃ。
せっかくマイホームを建てるなら、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境が理想ですよね。
マイホームの温熱環境で後悔したくないなら、必ず「UA値」という数値をカタログスペックで比較してください。UA値は「住宅の断熱性能を客観的に示す数値」で、値が低いほど優秀と考えてください。
UA値は間取りプランごとに異なるため、カタログに載っている数値はあくまで目安です。ですが目安を掲載するかどうかがハウスメーカーの「断熱に対する自信の差」。現に断熱性に自信があるハウスメーカーはほぼ必ず「UA値」の目安を載せています。
もしカタログにUA値の目安が掲載されていなければ「断熱に自信なし」と考えていいです。断熱性は各ハウスメーカーの実力差が顕著に表れるポイントです。断熱性で戦っても競合他社に勝てないメーカーは「あえてUA値を載せていない」というケースが多いのです。
住宅性能のなかでも断熱性は「特に日常的に実感する性能」です。断熱で後悔している人が多いということは、裏をかえせば断熱性が高い住まいは驚くほど快適ということでもあります。
カタログスペックの「UA値」で比較しておけばマイホームの温熱環境の失敗はまずありません。せっかくの注文住宅、温熱環境で後悔しないために「UA値」は必ず最新のカタログで比較しましょう!
今回の記事をまとめると…
- ロックウールのメリット
- 価格が安い(グラスウールより少し高い)
- グラスウールよりも耐火性が高い
- 燃えても有毒ガスが発生しない
- シロアリ被害を受けにくい
- 吸音性が高い
- ロックウールのデメリット
- 湿気に弱いので防湿処理が必要不可欠
- 結露した場合は断熱性能が大きく劣化する
- 施工業者の技術で断熱性能がブレる可能性がある
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