今回のブログ記事では断熱材「グラスウール」の特徴・メリット・デメリットについて詳しく解説していくぞい!
グラスウールは日本の一戸建て住宅で一番使われているポピュラーな断熱材じゃ。たくさんのハウスメーカーが採用している断熱材なので特徴を把握しておいて損はないぞい!
グラスウールとは
では今回も始めようかの!今回のブログ記事では「グラスウール」についてクローズアップしていくんじゃが、アシスタント諸君はグラスウールが何でできているか知っておるかね?
えーと・・・グラスウールっていうくらいだから、ガラスですかね?
お、正解じゃ!グラスウールとは「ガラスを高温で溶かして遠心力で吹き飛ばすことで繊維状にした断熱材」のことなんじゃ。
ガラスで出来ていて繊維状ってことは前回の記事で軽く触れた「繊維系断熱材」のなかでも「無機質系」のものに分類されるわけですね!
その通りじゃ!グラスウールは無機質系の繊維断熱材。複雑に絡み合った繊維のなかに無数の空気層があり、この空気層が断熱効果を発揮しているってことじゃな!
グラスウールだけじゃなく、断熱材は基本的に内部に無数の「空気層」を内包している。この空気層が外気と内気を遮断する働きを持っているのじゃ。
空気ってスゴイポン。
グラスウールのメリット
グラスウールって日本で一番シェア率が高いんですよね?なんでグラスウールが一番使われているんですかね?
そりゃあグラスウールは色々な面で優秀だからじゃ!
ということでグラスウールのメリットを解説するぞい。
まずグラスウールは断熱材のなかでも価格が安い方なのじゃ。グラスウールが良く使われている一番の理由はそこじゃろう。
僕は安ものは使いたくないポン!安かろう悪かろうって言うポン!
たぬき君は時々ナマイキじゃのう…
確かにグラスウール自体の「熱伝導率」は他の断熱材に比べてやや弱い面は否めないのう。
え。熱伝導率って断熱材の性能の一番大切な部分じゃないんですか?熱伝導率があまり良くないなら、グラスウールは断熱材としてはあまり良くないんじゃないんですか…?
グラスウールの熱伝導率は0.034~0.050なので、そこまで優秀な数値ではないが断熱性能をあげたいなら、単純に「厚さ」を分厚くすればいいのじゃ。
グラスウールに限ったことではないが、断熱材は基本的に分厚くすれば断熱性能が高まるものなのじゃ。
なるほど!分厚くすれば、それだけ内部の「空気層」も分厚くなるから断熱性能が高まるんですね!
その通り!だからハウスメーカーの断熱性能を比較する時には「断熱材の分厚さ」も重要な比較ポイントというわけじゃ。
他にもグラスウールのメリットはあるの?
あるぞい。グラスウールはガラスでできているため「耐火性が高い」のじゃ。木造住宅において「燃えにくい部材」使っているという点は大きなメリット。それに、グラスウールは万が一、火災になって家が燃えてしまったとしても有毒ガスを発生しないのじゃ。
発泡プラスチック系の断熱材のなかには、熱伝導率は優秀でも燃えると有毒ガスを発生するものもあるからの。万が一の時の安全性が高いのもグラスウールの大きな特徴じゃ。
あとグラスウールはガラスでできているってことはシロアリの被害にも遭いにくそうですよね?
冴えてるのう!その通りじゃ。
シロアリは木質系の素材は食べてしまうがガラスは食べない。だからグラスウールはシロアリ被害にも強いのじゃ。
「燃えにくい」し、さらに「シロアリにも強い」ってのは木造住宅にとっては理想的な断熱材に思えるポン!
うむ。さらに言えば吸音性も高いぞい。おまけに価格も安い。つまりグラスウールはトータルバランスに優れた断熱材ってことじゃな!だからシェア率が高いのじゃ。
そうか、家って断熱性能だけじゃなくて他にも色々気にしないといけないことがあったんでした!耐火性能とか安全性とか、そういうのも大事ですよね!
グラスウールのデメリット
グラスウールもメリット(良い点)ばかりではない。デメリット(弱点)も存在するぞい。グラスウールの最大の弱点は「湿気に弱い」という点じゃ。
グラスウールが湿気を吸うとどうなるポン?
グラスウールが湿気を吸うと結露しやすくなるし断熱性能が一気に劣化するんじゃ。
それに湿気を吸うと重くなるじゃろ?
つまり自重でずり落ちてしまう原因になるのじゃ。断熱材が壁の内部でずり落ちてしまえば、当然じゃが断熱性能は格段に低下する。壁のなかにスキマができてしまうということじゃからな。
だから断熱材にグラスウールを採用するならば防湿処理をしっかりすることが大切じゃ。そして気密性能の高い構造であればもっと安心じゃな!
なるほど。じゃあグラスウールはしっかりと施工されてさえいれば安全性が高くてバランスの良い断熱材なんですね!
うむ。しっかりと施工されていればいいんじゃが、グラスウールの断熱工事は施工業者の技術によって断熱性能にバラつきが出やすいのもデメリット(弱点)と言えるんじゃ。
断熱材がスキマなく敷きつめられているかどうかはかなり重要なポイントなので、これから注文住宅を建てる人は断熱工事を直接見に行くのも一つの手じゃな!
グラスウールを採用している主なハウスメーカー
はかせ!ハウスメーカーのなかで断熱材でグラスウールを標準仕様として採用しているところを教えてください!
うむ。有名なところをまとめてみたぞい!
積水ハウス | 高性能グラスウール(100mm) |
セキスイハイム | 高性能グラスウール(100mm) |
大和ハウス | 高性能グラスウール(100mm) |
住友林業 | 高性能グラスウール(100mm) |
住友不動産 | 高性能グラスウール(140mm) |
トヨタホーム | 高性能グラスウール(100mm) |
タマホーム | ロックウール・グラスウール(75mm) |
アイフルホーム | グラスウール・フェノールフォーム(70mm) |
アイダ設計 | 高性能グラスウール(75mm) |
スウェーデンハウス | 高性能グラスウール(120mm) |
グラスウールには性能ランクがある
あれ?なんか上の一覧表をみると「高性能グラスウール」って書いてありますね。じゃあ、高性能じゃないグラスウールもあるんですか?
鋭いところに気がつくのう。そうじゃ。実はグラスウールは繊維質の細かさなどで「性能のランク」が存在する。繊維質の細かい「高性能グラスウール」と通常の「グラスウール」があるのう。もし目当てのハウスメーカーがグラスウールを採用しているならば、高性能なのか?通常なのか?聞いてみるべきじゃ。
グラスウールは断熱材としてオススメか?
で、はかせ。結局グラスウールは断熱材としてオススメなんですか?
でたでた。またそれ系の直球質問じゃな。正直、断熱材も施主が「なにを重視するか?」によって変わってくるので一概には言えんのじゃ。
そこをなんとか!
なんなら主観コミでもいいので!
じゃあ個人的主観コミで、グラスウールはオススメ度「7点(10点満点中)」ってところじゃな。
グラスウールは耐火性が高く万が一燃えても有毒ガスが発生しないしシロアリにも強い。安全性を求める人ならグラスウールはオススメの断熱材と言えるのう。ただし湿気対策だけはしっかり行うことじゃ!
せっかくマイホームを建てるなら、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境が理想ですよね。
マイホームの温熱環境で後悔したくないなら、必ず「UA値」という数値をカタログスペックで比較してください。UA値は「住宅の断熱性能を客観的に示す数値」で、値が低いほど優秀と考えてください。
UA値は間取りプランごとに異なるため、カタログに載っている数値はあくまで目安です。ですが目安を掲載するかどうかがハウスメーカーの「断熱に対する自信の差」。現に断熱性に自信があるハウスメーカーはほぼ必ず「UA値」の目安を載せています。
もしカタログにUA値の目安が掲載されていなければ「断熱に自信なし」と考えていいです。断熱性は各ハウスメーカーの実力差が顕著に表れるポイントです。断熱性で戦っても競合他社に勝てないメーカーは「あえてUA値を載せていない」というケースが多いのです。
住宅性能のなかでも断熱性は「特に日常的に実感する性能」です。断熱で後悔している人が多いということは、裏をかえせば断熱性が高い住まいは驚くほど快適ということでもあります。
カタログスペックの「UA値」で比較しておけばマイホームの温熱環境の失敗はまずありません。せっかくの注文住宅、温熱環境で後悔しないために「UA値」は必ず最新のカタログで比較しましょう!
今回の記事をまとめると…
- グラスウールのメリット
- 価格が安い
- 耐火性が高い
- 燃えても有毒ガスが発生しない
- シロアリ被害を受けにくい
- 吸音性が高い
- グラスウールのデメリット
- 湿気に弱いので防湿処理が必要不可欠
- 結露した場合は断熱性能が大きく劣化する
- 施工業者の技術で断熱性能がブレる可能性がある
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